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福島県で最大のメガソーラー建設計画、3万世帯分の電力を2020年に

   

福島県の太平洋側には、南北を縦断して阿武隈(あぶくま)山地が連なっている。その最北部に位置する相馬市の山林を対象に、「相馬伊達太陽光発電所整備事業」の環境影響評価のプロセスが3月15日に始まった。2016年9月に創業した合同会社の相馬伊達太陽光発電所が推進する事業で、完成すれば福島県内で最大のメガソーラーになる。

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 建設予定地は山林を中心に230万平方メートルに及ぶ。この一帯には南向きの斜面が広がり、太陽光発電に適している。土地を所有する地権者が太陽光発電事業を提案して、賛同する他の地権者とともに用地の提供を申し出た。用地の7割に太陽光パネルを設置するほか、防災用の調整池を16カ所に造成する予定だ。

 相馬伊達太陽光発電所が福島県に提出した環境影響評価の方法書によると、発電能力は83MW(メガワット)を想定している。現在のところ福島県内で運転中あるいは計画中のメガソーラーで最大の規模は50MWクラスである。完成すれば県内で最大のメガソーラーになる。

 福島県の太平洋側は日射量が多い。最新のメガソーラーの設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は平均16%を見込めることから、これをもとに年間の発電量を計算すると1億1600万kWh(キロワット時)に達する。一般家庭の3万2000世帯分に相当する電力になり、相馬市の総世帯数(1万4400世帯)の2倍以上に匹敵する。

 発電した電力は固定価格買取制度を通じて全量を東北電力に売電する。すでに2013年度に買取制度の設備認定を受けているため、買取価格は1kWhあたり36円(税抜き)を適用できる。年間の売電収入は40億円を超える見通しだ。

 ただし福島県内では100万平方メートル以上の用地を事業用に造成する場合には、建設に先立って環境影響評価の手続きを実施する必要がある。3段階で構成する手続きを完了するまでには通常で1年半くらいかかる。建設工事には2年間を見込んでいるため、メガソーラーが完成して運転を開始できるのは2020年の後半になる可能性が大きい。

阿武隈山地の送電設備を増強

 相馬市から福島県の南部まで連なる阿武隈山地では、太陽光発電のほかに風力発電でも大規模な開発プロジェクトが進んでいる。山地には年間を通して風が吹きつける。福島県の太平洋沿岸地域を新産業で復興させる「福島イノベーション・コースト構想」の一環で、国が支援して阿武隈山地に風力発電の一大拠点を形成する計画だ。

 風力発電の導入量を拡大するために、地域の送電設備を増強する取り組みも始まった。福島県が出資して県内各地に太陽光発電を展開中の福島発電と東京電力グループが共同で、「福島送電合同会社」を3月15日に設立した。

 政府がイノベーション・コースト構想と合わせて2016年度から着手した「福島新エネ社会構想」に基づくプロジェクトである。阿武隈山地と同様に風力発電の拡大が見込める沿岸部の双葉町の周辺を加えた2つの地域を対象に、新たに送電線と変電所を建設する。2020年までに工事を完了して運用を開始する予定だ。

 福島送電は地域の発電事業者の開発計画をもとに、送配電事業者の東京電力パワーグリッドと共同で送電線と変電所の設計・建設を進めていく。送電線の設計・工事と維持・運用にかかる費用の一部は発電事業者が負担するスキームを想定している。送電設備を増強できれば、風力を中心に再生可能エネルギーの発電設備を拡大して、CO2(二酸化炭素)を排出しない電力を東京電力エリアにも供給することが可能になる。

 福島県では復興の柱の1つとして再生可能エネルギーの導入量を飛躍的に拡大する方針で、2040年には県内で消費する電力の100%以上を再生可能エネルギーで供給する目標を掲げている。震災後の2013年度に開始した「再生可能エネルギー先駆けの地アクションプラン」をもとに、2018年度までの6年間に太陽光を中心に風力やバイオマス発電の導入量を拡大していく。

 さらに2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、再生可能エネルギーの電力を使ってCO2フリー水素を製造するプロジェクトが進行中だ。天候によって発電量が変動する太陽光と風力の余剰電力で水素を製造して、東京まで輸送して水素ステーションや選手村の燃料電池などに供給する。

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