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ガス会社が木質バイオマス発電の電力、1万1000世帯分を供給開始

   

北海道ガスは2月1日から、苫小牧市にあるバイオマス発電所の電力の調達を開始した。このバイオマス発電所は北海道ガスが三井物産や住友林業、地元の林業事業者のイワクラを加えた4社で建設を進めてきた。苫小牧から150キロメートル圏内にある森林の間伐材や林地残材を100%燃料に使って、2016年12月から試運転に入っている。

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 年間の発電量は4000万kWh(キロワット時)を見込んでいる。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して1万1000世帯分に相当する。北海道ガスは固定価格買取制度を通じて全量を買い取る。苫小牧市の総世帯数(8万7000世帯)の1割強にあたる電力を地域の木質バイオマスで供給できる。

 北海道ガスは2016年4月の電力小売全面自由化に合わせて、北海道内の家庭や商店を対象に「北ガスの電気」の販売を開始した。2017年1月末の時点で契約数は5万件を超え、北海道内の新電力の中で約4割のシェアを獲得した。ガスや灯油と組み合わせたセット割引に加えて、再生可能エネルギーを多く含む電力を特徴として打ち出している。

 新たに木質バイオマス発電の電力が加わるほか、石狩市にあるLNG基地の構内で高効率のガス発電設備の建設を進めている。2018年10月に運転を開始する予定で、発電能力は7万8000kW(キロワット)である。年間の発電量は5億7300万kWhを見込んでいて、16万世帯分の電力を供給できる。

 2019年度には販売する電力の61%を高効率ガス発電で供給する一方、木質バイオマスを中心に再生可能エネルギーの電力も26%を維持する。天然ガスと再生可能エネルギーによるCO2(二酸化炭素)排出量の少ない電力を供給して、2020年度に「北ガスの電気」の利用者を14万件以上に伸ばす計画だ。

石油火力と石炭火力が多い北海道の課題

 北海道の電力供給には課題が多くある。第1に北海道電力が東日本大震災後に2回にわたって電気料金を値上げしたため、全国で最も高い料金水準に上昇してしまった。その大きな要因は、北海道電力の発電所の中に燃料費の高い石油を利用する設備が数多く残っている点だ。

 北海道電力が2015年度に発電した電力量(他社からの受電分を含む)の27%を石油火力が占めている。国内の電力会社全体では石油火力の比率は9%まで低下しているが、北海道電力はその3倍の水準にある。同様にCO2排出量の多い石炭火力の比率も高い。北海道電力で初めてのガス火力発電所は2019年に運転開始する予定だが、それまではCO2排出量の多い電力の供給が続く。

 企業のCO2削減量に影響する電力のCO2排出係数(電力1kWhあたりのCO2排出量)を比較すると、北海道電力は電力会社10社の中で沖縄電力に次いで2番目に大きい。この問題の解消に向けて、北海道ガスは再生可能エネルギーと天然ガス火力を組み合わせて企業のCO2削減の取り組みを後押しする方針だ。

 2017年4月には都市ガスの小売全面自由化が始まる。電力に加えて家庭向けの都市ガスでも顧客獲得競争が激しくなる見通しだ。現時点で北海道電力は都市ガスの小売に参入する計画を発表していないが、いずれ電力と都市ガスを組み合わせたサービスに乗り出す可能性は大きい。

 北海道ガスは小売全面自由化の先行きを見据えて、電力とガスを組み合わせた総合エネルギーサービスを展開していく。天然ガスのインフラを生かして地域全体の電力と熱を供給する一方、家庭には「北ガス版HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)を普及させる戦略だ。

 「北ガス版HEMS」は北海道ガスが独自に開発を進めていて、2018年度から一般の家庭に提供する。都市ガスを使って電力と熱を高効率で供給できるコージェネレーション・システムの「エネファーム」を中核に、家庭内の電力・ガスの使用量を収集・分析して省エネにつなげる狙いだ。

 すでに北海道ガスは100件の家庭に計測機器を設置して、「北ガス版HEMS」によるエネルギー使用量の見える化や電気・ガス機器の自動制御を実証中だ。北海道では冬になるとエネルギー使用量が格段に増えるため、HEMSを使って光熱費を削減できる効果は大きい。

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