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【突破力】南国殖産(鹿児島市) 開発リードする「地域総合商社」

   

鹿児島の玄関口、JR鹿児島中央駅の目の前に「鹿児島中央ターミナルビル」がある。1階にバスターミナル、7~14階に「ソラリア西鉄ホテル鹿児島」などが入る複合ビルで、鹿児島のランドマーク的存在だ。

 「地域の開発は地元主体であるべきだ。地元企業として主体的に参画し、開発をリードしてきた。地域の発展なくして、会社の発展はない」

 南国殖産社長の永山在紀氏(76)は力を込める。

 ターミナルビルは、南国殖産の所有地を活用する形で平成24年に誕生した。その隣には、21年完成の「南国センタービル」があり、本社が入っている。

 2棟は24年、鹿児島市の景観まちづくり賞に輝いた。ターミナルビルは、新幹線駅と鹿児島空港へのバスの結節点となった。多くの観光客やビジネス客を鹿児島へ呼び込んだ。こうした取り組みが評価され、南国殖産は27年にも、ふるさと企業大賞(総務大臣賞)に選ばれた。

 「新規雇用の創出や地域活性化への貢献が認められたと聞いている。受賞は光栄です」。永山氏は胸を張る。

 南国殖産は「地域総合商社」という、他ではあまり聞かない業種名を掲げる。その発祥は江戸時代後期にさかのぼる。

 現在の薩摩川内市で、初代、上野喜左衛門が酒造業を興した。代々の当主は喜左衛門を名乗り、さまざまな事業で財を成した。今で言うと、多角化に成功した。

 昭和20年、終戦が南国殖産にとって転機となった。

 5代目・喜左衛門は20年3月に株式会社「南国兵器」を設立した。だが、終戦を機に商事会社への転換を決め、同年10月に「南国殖産」を旗揚げした。

 肥料や農薬、漬物、ハムなど、生活に直結する商品の販売を手がけた。マイカー時代の到来を見越して、ガソリンスタンド、建設資材などへと商材を拡大した。スクラップ・アンド・ビルドを繰り返し、成長を続けた。

 永山氏は「地域総合商社はいわば『変化対応業』だ。既存事業から、新しい因子を組み合わせ、コラボさせて新規ビジネスをつくってきた」と説明した。

 現在は、ガソリンスタンドが主軸のエネルギー▽携帯電話の販売代理店を展開する情報通信▽建設資材▽機械設備-の4事業を柱とする。子会社29社、関連会社16社の計45社を擁する企業集団に成長し、グループ連結売上高は1833億6700万円に達した。

 最も力を入れるエネルギー事業では、再生可能エネルギーにも積極投資する。平成24年に子会社「九州おひさま発電」を設立し、太陽光発電事業に本格参入。32年までに九州一円で計30カ所200メガワットのメガソーラーを建設するという。

 永山氏は「さらに小水力、風力、地熱、バイオマス発電など将来を見据えた事業を加速させていきたい」と語った。

 昨年、創立70周年の節目を迎えた。

 鹿児島中央駅前の再開発の実績が評価されたことで、「鹿児島中央駅前1番街商店街(東口)」の再開発にも特定業務代行者として参加する。今年2月には市交通局跡地再開発事業でも、他社とつくる共同事業体で、優先交渉権を獲得した。

 駅前商店街(東口)再開発では、約4400平方メートルの敷地に、地上24階地下1階建て、高さ約101メートルの複合ビルを計画する。市交通局跡地(約2万4500平方メートル)は「キ・ラ・メ・キ テラス」の愛称で、2つの病院とスポーツクラブ・温浴施設などを整備する。

 「交通局跡地はコンパクトシティを目指す。鹿児島の地方創生の先駆的な事業になるだろう」

 両事業とも、完成はいずれも東京五輪と鹿児島国体が開催される32年に設定した。南風に乗せて、国内に鹿児島の活気を伝える。(南九州総局 谷田智恒)

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 江戸時代後期に川内(現鹿児島県薩摩川内市)で酒造業を興した初代、上野喜左衛門がルーツ。5代目が昭和20年3月に「南国兵器」を立ち上げ、同10月に「南国殖産」を設立した。29年に鹿児島市へ本社を移転。資本金5億円。従業員数は961人。本社は鹿児島市中央町18の1。

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