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2017年度の買取価格が大筋で決まる、太陽光発電は2円の引き下げ案が有力

   

毎年度の買取価格を検討する政府の「調達価格等算定委員会」は12月5日に開いた会合で、2017年度の買取価格の算定基準を決定した。これをふまえて12月13日に開く次回の委員会で具体的な買取価格案をとりまとめる予定だ。

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 固定価格買取制度では直近の発電設備の資本費と運転維持費、さらに発電量を左右する設備利用率(発電設備の出力に対する実際の発電量)などをもとに、次年度の買取価格を決定する仕組みになっている。このうち資本費の多くを占める発電システムの直近の価格が最も大きな要素を占める。

 出力が10kW(キロワット)以上の事業用の太陽光発電では、平均よりも効率の高い設備のシステム価格を適用するトップランナー方式が基準になる。政府が調査したデータのうちシステム価格の低い順から上位25%の値を採用する。2016年は出力1kWあたり24.4万円を適用することが決まり、前年の25.1万円から3%下がる。

 さらに設備利用率が14%から15.1%に上昇して発電量が増える。最近は太陽光パネルの価格が低下したことによって、発電した電力を変換するパワーコンディショナーの能力よりも太陽光パネルの容量を大きくする「過積載」と呼ぶ傾向が進んだためだ。設備利用率の上昇で年間に売電できる電力量は7%増加する。

 システム価格の3%低下と発電量の7%増加を考慮すると、2017年度の買取価格は現行の24円から2円下げて、22円とする案が有力である。政府は2020年度に16円まで低下させることを目指している。今後も毎年度に2円程度の引き下げを続けていく見通しだ。

 出力が10kW未満の住宅用の買取価格も引き下げていく。従来は住宅用の太陽光発電のシステム価格は直近の実績の平均値を適用してきたが、2017年度から事業用と同様に上位25%のトップランナーの数値を採用する方針だ。2016年の実績では出力1kWあたり30.8万円になっている。一方で平均値は35.3万円で4.5万円も開きがある。

 政府は2019年度の買取価格を家庭向けの電気料金の水準24円まで低減することを目標に掲げている。その場合のシステム価格は1kWあたり30万円を想定している。直近の上位25%にあたる30.8万円を2019年度の想定値に採用したうえで、2017年~2019年度の3年分の買取価格を一括に決定する方針だ。

 そうすると現行の住宅用の買取価格31円(出力制御対応機器が不要の場合)から2017年度には29円、2018年度に27円、2019年度に25円へ引き下げていく案が妥当だろう。買取価格が電気料金の単価に近づくと、売電と自家消費のメリットが同等になる。

第1回目の入札量は500MWで決定

 2017年度に改正する固定価格買取制度では、事業用の太陽光発電の買取に入札方式を導入することが決まっている。第1回目の入札を2017年9月から10月にかけて実施する予定で、その対象になる発電設備の規模と入札量についても確定した。

 入札の対象は出力が2000kW以上の大規模な太陽光発電設備に限定する。これまで事業用の太陽光発電の買取価格は規模に関係なく一律で設定してきた。実際のシステム価格を見ると、発電設備の規模が大きいほど低くなっている。ところが2000kW以上では過去4年間を通じてシステム価格が低下していない。政府は入札方式を導入することによって、事業者間の競争が進んで買取価格の低減につながると判断した。

 入札量は2017年度と2018年度に実施する合計3回で1000~1500MW(メガワット=1000kW)を調達する予定だ。2015年度に認定を受けた出力2000kW以上の太陽光発電設備の規模は1361MWで、今後は徐々に縮小する可能性が大きい。こうした点を考慮して、2年間で1000~1500MWの太陽光発電設備を入札で認定する。

 2017年度に実施する第1回目の入札量は500MWに設定することで委員会は合意した。第2回目と第3回目の入札量は第1回目の結果を見て決定する。入札時の上限価格は2017年度の事業用の太陽光発電の買取価格に合わせる。入札が順調に成立すれば、大規模な太陽光発電の買取価格は一気に20円前後まで下がる見通しだ。

風力~バイオマスは2019年度まで一括に

 太陽光発電と同様に風力発電の買取価格も2017~2019年度の3年間に低減させる。固定価格買取制度の改正によって、風力・中小水力・地熱・バイオマス発電の買取価格は3年分を一括で決定する方式に変わる。このうち風力発電の買取価格は3年間かけて引き下げていく。

 政府の長期目標では風力発電のコストを2030年までに8~9円まで低下させて、固定価格買取制度の対象から除外する。そのためには買取価格を10円以下に引き下げていく必要がある。現在の買取価格は22円(出力20kW以上の場合)で、3年後の2019年度には18円前後が目標になる。

 直近の風力発電の資本費と運転維持費を見ると、従来の想定値を上回っている。このうち資本費は2019年までに低下する見込みだが、運転維持費は1.5倍の高い水準にとどまる。今後の買取価格を低減させる根拠にならない。

 ただし設備利用率が想定を大幅に上回っている。2011年以降に運転を開始した風力発電の設備利用率は24.8%に達した。従来の想定は20%で、買取の対象になる年間の発電量は2割以上も増える。

 この設備利用率を2017年度から適用したうえで、2019年度に向けて買取価格を低減させていく。2019年度の買取価格を18円とすれば、2017年度は22円のまま据え置くか21円に引き下げる。さらに2018年度に19~20円に設定する案が現実的である。

 並行して政府は風力発電の事業化判断から買取価格決定までの期間を大幅に短縮する方針だ。出力7500kW以上の風力発電に義務づけられている環境アセスメント(環境影響評価)を実施すると、現時点では買取価格の決定までに3~4年かかる。この状況では3年先の買取価格を見て事業化を判断できない。

 2017年度から風力発電設備の認定申請時期を前倒しする。従来は環境アセスメントの最終段階(評価書)に入らないと申請できなかったが、今後はアセスメントの第2段階(方法書)を開始した時点で申請できるようになる。これで買取価格決定までの期間が3年以内に短縮できる。

 さらに環境アセスメントも2年以内で完了できるように調査を実施中だ。これを実現できると事業化判断から買取価格決定まで2年以内に収まり、3年先の買取価格を見て事業化の判断が可能になる。同様に地熱発電についても環境アセスメントの期間短縮を実施する方針だ。

 一方で中小水力発電とバイオマス発電は環境アセスメントが不要なため、事業化判断から買取価格決定まで3年以内に収まる。こうした状況から、風力・中小水力・地熱・バイオマス発電の買取価格は2017~2019年度の3年分を一括で決定できる。現在のところ中小水力・地熱・バイオマス発電の買取価格は引き下げる要因が見あたらないため、2017~2019年度も現行のまま据え置く。

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