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再生可能エネルギーの買取制度、中小水力とバイオマス発電に新区分

   

政府が11月29日に開催した「調達価格等算定委員会」で、中小水力発電とバイオマス発電に新区分を設ける案が固まった。現行の固定価格買取制度では、中小水力発電は出力の規模によって3つの区分に、バイオマス発電は燃料の種類によって5つの区分に分かれている。

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 このうち中小水力発電で規模が最も大きい出力1000kW(キロワット)以上3万kW未満の範囲を2つに分割する。資源エネルギー庁が収集した発電設備の実績データを調査したところ、出力が5000kW以上の設備では導入に必要な資本費が低くなる傾向が明らかになった。

 現行の買取価格の基準になっている資本費の想定は出力1kWあたり85万円である。これに対して調査データでは5000kW以上の平均値で69万円、中央値で52万円と想定を2~4割も下回っている。一方で1000kW以上5000kW未満では平均値が93万円、中央値が85万円で想定と同等だった。

 毎年度の買取価格は資本費に加えて発電設備の運転維持費や設備利用率(出力に対する実際の発電量)を加味して決めることになっている。中小水力発電の運転維持費については、特殊なケースを除いて出力による差はほとんど見られなかった。

 こうした要件をもとに、2017年度から出力5000kW以上の中小水力発電を新たな区分に設定する。現行の買取価格は導水路を新設する場合には24円(税抜き)だが、20円以下に引き下げる可能性が大きい。

 残る出力1000kW未満の2つの区分は買取価格を据え置く。200kW未満と200kW以上の資本費を見ると、いずれも従来の想定を上回っている。200kW未満の資本費は1kWあたり100万円を想定しているが、調査データでは補助金の対象案件が多い100kW未満を除くと平均値が139万円、中央値が133万円と高い。

 200kW以上になると想定の80万円に対して、既設の水路を利用する場合や特殊なケースを除くと平均値は103万円で、中央値は94万円だった。ただし運転維持費が200kW未満と200kW以上の両方で基準値を下回っている。資本費と運転維持費を組み合わせると、2017年度の買取価格を現行のまま据え置くことが妥当と考えられる。

一般木質バイオマスの認定量が急増

 バイオマス発電では5種類の区分のうち3種類が木質である。間伐材を中心とする未利用木質、製材端材などの一般木質、さらに建築廃材が対象になる。それぞれの認定・導入量を見ると、一般木質の認定量が際立って多い。政府が2030年のエネルギーミックス(電源構成)の想定量に掲げた水準に早くも達している。

 特に一般木質では出力が2万kW以上の大規模な発電設備の認定量が急速に増えてきた。現行の固定価格買取制度では、未利用木質に対して出力2000kW未満と以上で買取価格を分けている。2017年度から一般木質に対しても、出力2万kW未満と以上で買取価格を分ける方針だ。

 ただし発電設備の導入にかかる資本費や年間の運転維持費は、現行の買取価格を決定した時の想定からさほど変動していない。木質バイオマス発電では燃料費の水準も買取価格に影響を与えるが、現在のところ想定値から大きくはずれていない状況だ。

 ところが出力の規模によってボイラーの種類が異なり、設備利用率に大きな差が出る。電力中央研究所の調査によると、出力が1万kW以上の大規模なバイオマス発電設備ではCFB(循環流動層)タイプのボイラーが主流で、発電効率(熱エネルギーを電気エネルギーに変換できる割合)が30%を超える。

 発電効率は買取価格を決定する要因の設備利用率に直結する。現行の買取価格は出力5700kWの設備を基準に、発電効率を26%と想定している。資源エネルギー庁が出力2万kW以上の木質バイオマス発電設備を対象にヒアリングを実施した結果、発電効率は32%だった。年間の発電量は2割以上も多くなる。

 こうした発電効率の差をもとに、一般木質バイオマス発電の出力2万kW以上を別区分に設定する。現行の買取価格は24円(税抜き)だが、20円前後まで引き下げる見通しだ。このほかのバイオマス発電の買取価格は現行のまま据え置く。

 2017年度から固定価格買取制度は抜本的に変わる。中小水力発電やバイオマス発電のほかに、風力発電と地熱発電の価格設定方法も新しくなる。従来は年度ごとに買取価格を決定していたが、2017年度から複数年先の買取価格を一括で決める。

 太陽光発電を除いて設備の認定を取得するまでの期間が長いため、複数年先まで買取価格を設定することによって発電事業者が収益性を判断しやすくなる。当面は3~5年先までの買取価格を設定する方向だ。12月5日に開催する次回の委員会で、風力・中小水力・地熱・バイオマス発電の買取価格を複数年先まで設定する案を検討する。

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