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鉄道の沿線に直径86メートルの大型風車、1600世帯分の電力を供給

   

日本海の近くを走る羽越本線の沿線には、海からの風を防ぐための「鉄道林」が随所にある。そのうちの1カ所に巨大な風車が建った。JR東日本(東日本旅客鉄道)が12月1日に運転を開始する「JR秋田下浜風力発電所」の風車で、ブレード(羽根)の回転直径は86メートルに及ぶ。風車を支えるタワーの高さは78メートルあり、最高到達点は120メートルになる。

 風力発電所を建設した場所は秋田市内の下浜駅から南へ1.5キロメートルの距離にある。近くには鉄道と道路が通っている以外に人家などは見あたらない。JR東日本は2014年3月から1年間かけて風況調査を実施して発電所の建設を決めた。2015年10月に工事に入り、約1年間で完成させた。

 発電能力は風車1基で2MW(メガワット)ある。年間の発電量は580万kWh(キロワット時)を想定している。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して1600世帯分に相当する。発電した電力は固定価格買取制度で売電する方針だ。年間の売電収入は約1億3000万円になり、買取期間の20年間の合計では約26億円を見込める。

 設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)を計算すると33%に達して、陸上の風力発電の標準値20~25%を大きく上回る。これは年間の平均風速が7メートル/秒になる場所で得られる高い水準だ。秋田県の日本海沿岸部に特有の風況の良さを生かした。

 鉄道の沿線に建設するために、風車のデザインにも趣向をこらした。風車の中心部にある発電機を内蔵したナセルの外側のデザインを秋田新幹線の車両に合わせた。新幹線をデザインした会社が担当したもので、同じ赤いラインを施してある。

 JR東日本は安定稼働を目指して、風力発電設備の異常を早期に検知するシステムも導入する予定だ。経済産業省の「平成28年度 新エネルギー等の保安規制高度化事業」の補助金を受けて、日立製作所と共同で開発を進めている。風車のブレードなどをリアルタイムに監視できるシステムになる。

最大50MWの風力発電所も開発中

 JR東日本は青森・岩手・秋田の3県を中心とする北東北エリアを対象に、再生可能エネルギーによる発電設備の建設を2012年から推進してきた。太陽光発電を手始めに、地域の資源を生かした地熱発電やバイオマス発電にも取り組んでいる。

 風力発電はJR秋田下浜風力発電所が初めてのケースで、JRグループ全体でも初の試みである。同じ秋田県内ではグループ会社のJR東日本エネルギー開発が由利本荘市の日本海沿岸部で「由利大内ウィンドファーム」の開発を進めている。最大で50MWの発電能力がある大規模な風力発電所を計画中で、すでに環境影響評価の手続きに入っている。

 太陽光発電では鉄道の沿線に所有する広大な用地を生かしてメガソーラーを拡大中だ。これまでに秋田県内だけで3カ所のメガソーラーが稼働している。その中で最も新しいのは秋田市にある「秋田泉太陽電池発電所」で2016年3月に運転を開始した。

 奥羽本線の上下線のあいだにある細長い土地に建設したもので、発電能力は1.3MWある。以前は列車を入れ替えるための操車場があったことから、多数の線路が残ったままになっている。線路のレールの上に支柱を立てて太陽光パネルを設置するユニークな工法を採用した。

 このほかに茨城県や千葉県で稼働中のメガソーラーを含めて、2017年3月までに太陽光発電の導入規模が12MWに達する見通しだ。さらにJR東日本エネルギー開発が福島県で「富岡復興メガソーラー・SAKURA」(発電能力30MW)の建設プロジェクトに参画している。

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