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【キラリ甲信越】新潟県企業局が売電先切り替え 自由化で地域振興

   

「電力小売りの全面自由化」を1年後に控える中、既存電力会社より割安な電力を企業や公共施設に供給する会社「新電力(特定規模電気事業者)」の注目度が県内でも高まってきた。リース大手、オリックス(東京)が今月から、東北電力管内で新電力事業を始めたほか、県企業局が11カ所の県営水力発電所の電力供給先を新電力2社に切り替えた。電力の購入先を自由に選び、企業の経費削減や自治体の財政強化に生かす動きが熱を帯びそうだ。(臼井慎太郎)

 ◆オリックス参入

 平成28年4月の電力小売り全面自由化で、家庭でも契約先の電力会社を自由に選べるようになる。自由化に伴う新市場の開拓を加速する1社がオリックス。

 同社は21年、東京電力と関西電力管内の店舗やオフィスビルを主な対象にした電力小売り事業を始めた。その後、中国電力、中部電力管内にも拡大。今年4月からは東北電力管内に参入した。オリックス電力事業部販売第2チームの篠崎万里子チーム長は「参入前から現在の電気料金と新電力を比べたいという見積り依頼が増えている。企業に電力を選ぶ意識が芽生えている」と手応えをつかむ。

 同社は新潟県と東北6県で約100人の営業人員を抱え、2割は新潟市内の新潟支店が拠点だ。

 約6200件の電力供給実績を積み、大半が中小企業向けだ。同社は中小の経費削減ニーズにきめ細かく対応できる営業の強みを発揮。群馬県で自社運営する「吾妻木質バイオマス発電所」や全国の大規模太陽光発電所で発電する電力を、「東北電力より3~5%程度安い料金」で年500件の契約を目標に供給する。

 ◆当たり前の時代

 新電力の使用メリットを広める「代理店」の役割も増している。1社が、電気料金をはじめとする経費削減策を企業に提案するコンサルタント「エナジートップ」(新潟市秋葉区)。

 同社の海老進一郎社長は「経営者の意識を変え、携帯電話やガソリンスタンドのように電力を“当たり前”に選ぶ時代にしたい」と話す。

 県内自治体も新電力に熱い視線を注ぐ。県企業局は12カ所の県営水力発電所のうち11カ所で電力供給の一般競争入札を行い、新電力の日本テクノ(東京)と日本ロジテック協同組合(同)が落札した。

 新電力への売電期間は今月から29年3月まで。同局によると、東北電力に売電していた価格は1キロワット時当たり7・46円。日本テクノが同16・48円、同組合が同15・90円で落札したことから、2倍以上の単価で売電できる。2年間の売電収入を試算すると、東北電力に売電していた従来との比較で約96億円の増収となる。

 新潟市も21年から新電力を入札で使用し、4月1日時点で水道局本局庁舎や小中学校など157施設が新電力と契約を交わす。同市は「再生可能エネルギーを供給源とする新電力を使えば温暖化防止の促進にもつながる」と強調する。

 ただ、既存電力会社に支払う送配電線の使用料「託送料金」の高さが制約の上、「新電力の切り替えの手続きを迅速化してほしい」「新電力の供給力向上を」という声もある。自由化を地域振興につなげる挑戦はこれからが本番だ。

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【用語解説】新電力

 既存電力会社以外が、再生可能エネルギーやごみ処理場の発電所、火力発電所などで発電した電力を、企業など大口需要家向けに小売りしている特定規模電気事業者。東日本大震災を契機に増加し600社程度になったが、全国の販売電力量全体に占めるシェアは5%程度と小さい。

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