バイオマスエネルギーニュース

バイオマスエネルギーに関するニュースサイト

日本製紙、タイで木質バイオマス実証実験 最新技術で来春めど開始

   

日本製紙は、木質バイオマス生産の実証実験に乗り出す。タイの製紙大手と組んで来春をめどに実験を始め、トレファクション技術と呼ぶ最新技術を使って木材を燃料化する。事業化の可能性があると判断すれば、2018年度中にも量産化する計画だ。

 トレファクション技術では、250~300度の比較的低温で木材を炭化させる「半炭化」と呼ぶプロセスを経て燃料にする。通常より熱量を多く残すことができ、結果として発電量も増えるのが最大の特徴。固形燃料のペレットにした場合、耐水性に優れるほか、粉砕もしやすいことから、石炭への配合割合を増やせるなどの点でも優れている。

 実験はタイ製紙大手SCGパッケージの子会社であるフィブラス事業部門会社(PPPC)と共同で行う。タイ東北部にあるPPPCのパルプ工場内に生産設備を設置。同社が周辺に所有するユーカリ材を原料に、ペレット状の木質バイオマス燃料にする。さらに日本製紙の釧路工場(北海道釧路市)へ送り、石炭と混ぜて燃焼試験を行う。

 実験設備の生産能力は年8000トンを予定。事業化する場合は、その10倍となる8万トン規模の設備を想定しているという。その場合、投資額は数十億円程度になる見通しだ。

 実験開始に先立ち、4月21日にPPPCと共同研究開発契約を結んだ。日本製紙は14年にSCGパッケージと提携し、約22%を出資している。日本製紙によると、同技術の研究は世界的に進んでいるが、量産化にこぎ着けた例はまだないという。

 同社を含む製紙各社は、国内の紙需要が人口減やデジタル化で先細りとなる中、「脱・紙頼み」を最優先の経営課題に掲げている。一方、間伐材や建築廃材を使って発電する木質バイオマス発電は、CO2排出を抑制できることから、日本を含めて世界的に開発の動きが加速している。日本製紙は「製紙業で培った木材調達ノウハウなどを生かせる」として、事業化で先陣を切りたい考えだ。

 - , , , , , , , , , , , , , , , , , , ,